カムは、運動の方向を変える(例:回転運動→直線運動)、任意の形状を持った機械要素です。直接接触によりローラ等相手側に任意の運動を与えます(出力端における、速度・加速度・躍動などの運動特性を任意に実現することができます)。
カム本体の形状により、「平面カム」と「立体カム」に分けることができます。
「平面カム」は直進型と回転型に分類され、「立体カム」は、端面型・円筒型・円すい型・鼓型に分類されます。ローラギアカムは鼓型の立体カムのひとつになります。
カム本体とフォロアの拘束方法としては、「カム自身の形態による拘束」(溝案内、リブ案内、共役機構)と「外部拘束」(バネ、重力など)があります。
平面カム |
直進板カム |
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回転板カム |
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立体カム |
端面カム |
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円筒カム |
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ローラギアカム |
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回転板カムを例にとると、カム本体は中心からの半径が一定ではありません。よって、カム本体が一定の回転運動をする場合でも、カム本体に接するフォロアは直動や揺動等他の運動を行います。その運動は中間節の形状によりさらに変位し、作動端に伝わります。
このようにカム機構では、一定の回転運動を往復運動や複雑な揺動等に変換するのです。
カムは「回転角により位置が確定している」構造のため、高精度のモーションコントロールが可能です。特に拘束方法が「カム自身の形態による拘束」の場合、精度が高くなります。
同期制御しやすくオーバーラップも可能で、機構のサイクルタイムを縮めることができます。
運動が滑らかなため、「振動がきわめて少ない」「機械や製品、金型に対してムダな力がかからない」機構にすることができ、そのため高速化を実現できます。
特に内部拘束のカムは、より高速の運動が可能なります。
シンプルな構造の機構のため、「小型」「軽量」「高剛性」の機構を実現できます。
ほかの機械要素と比べ故障が少なく、オイル交換のみできわめて安定した動作が可能です。
機械に対してムダな力がかからない機構にすることができるため、機械が長寿命化します。
サーボモータと比べ、消費電力が少ないです。