カム設計について 〜カム機構設計の一般的な手順〜
1 | カム機構の形式を選択(カム並びに従節の種類を決定) |
2 | 出力運動の詳細を決定 ・タイミング線図の作成 ・カム曲線の選択 ・運動の割付け ・機構の出力で作用する力、入力に必要な力の検討 |
3 | 機構(カム)諸元の決定 圧力角、機構の大きさ(カムの大きさ)、機構の強度などの制約条件を満たす諸元を決定する。 |
4 | 幾何特性の詳細確認 「2」「3」で決定した条件で、圧力角、曲率半径などを計算し、適切な形状か確認する。 |
5 | 強度、耐久性、剛性などの確認 |
【例】カム設計の手順
「3:機構諸元の決定」は、「4:幾何特性の詳細確認」「5:強度、耐久性、剛性などの確認」の結果をフィードバックして手順を繰り返すことが多い。場合により、「1:カム機構の形式を選択」「2:出力運動の詳細を決定」までさかのぼることもある。
前提 | 15°の揺動運動が必要 | |
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1:カム機構の形式を選択 | 円端揺動従節の回転板カムを選択 | |
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2:出力運動の詳細を決定 | タイミング線図を定義。カム曲線は変形正弦(MS)を使用 | |
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3:機構諸元の決定 | 圧力角の近似式から、最大圧力角、最大カム径などの制約条件を満足するように諸元を決定 | |
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4:幾何特性の詳細確認 | 圧力角、曲率半径などを厳密に計算。最大圧力角、凸の最小曲率半径、凹の最小曲率半径などが許容範囲内かどうか確認 | |
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5:強度、耐久性、剛性などの確認 | 幾何特性データを用いて、面圧、機構要素の強度、転がり疲労寿命、剛性などが要求性能を満足することを確認 | |
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設計完了 |
※タイミング線図:カムの1周期分の動きに対して出力運動を定義したもの。